盲導犬訓練士とは、国家資格ではありません。国家公安委員会が認定した、盲導犬育成団体(全11団体)が認定する資格です。
各団体で盲導犬育成に関わる知識、訓練などの経験を積んだ職員が「盲導犬訓練士」として認定されます。そのうち、当協会も加盟している認定NPO法人全国盲導犬施設連合会(全8団体)では、認定試験を受け、審査に合格し、知識と資質を認められる者に「盲導犬訓練士」の資格を与えています。
盲導犬訓練士の資格を取得した者が更に知識と経験を積んで取得する資格です。
視覚障がいに関する知識や実際に盲導犬と一緒に歩きたいと希望する目の不自由な方への訓練指導の経験が必要になります。こちらも各種試験に合格した者を「盲導犬歩行指導員」として認定しています。
盲導犬訓練士といえば、文字通り「ひたすら犬の訓練をする人」と思われている方が多いと思います。しかしそれだけではありません。盲導犬訓練士の仕事は多岐にわたります。犬を盲導犬として育成・訓練をするのは勿論のこと、日々の健康管理、運動、時には学校や企業などで視覚障がい者と盲導犬について講演することもあります。
また、盲導犬訓練士の仕事の1つに、視覚障がい者が盲導犬と安全と快適に歩けるよう指導することです。盲導犬を希望されている方々の面談・相談、盲導犬との体験歩行、盲導犬ユーザーの元へ定期的に赴くフォローアップを行っています。犬だけでなく、人とのコミュニケーション能力も求められる仕事です。
7:00~ | 朝の排泄、朝ごはん(当番制) |
---|---|
8:00〜 | 清掃 |
9:00〜 | 朝礼、排せつ、訓練、運動、犬舎管理など |
12:00〜 | お昼休憩(1時間) |
13:00〜 | 昼礼、排せつ、訓練、運動、犬舎管理など |
16:00〜 | 排せつ、夕ごはん |
17:00〜 | 事務処理 |
19:00〜 | 犬舎管理、排せつ(当番制) |
21:00〜 | 業務終了 |
※日や犬の状況によって変化があります。
まず、全国11か所にある盲導犬育成施設のいずれかに就職する必要があります。(採用に関しては各協会の採用情報をご確認ください)候補生や研修生という形で勤務しながら日々のお世話や訓練の方法などを学んでいきます。盲導犬訓練士になるためにはおよそ3年ほどかかるといわれています。
盲導犬の訓練士や歩行指導員となるためには、全国の盲導犬育成団体が協議の上定めた養成課程や認定基準を満たす必要があります。大まかに分けると以下の通りになります。
こういった座学だけではなく、日々の勤務内で衛生管理のための方法や訓練についても学ぶ必要があり、実技の面でも一定の基準が設けられています。最終的に、盲導犬訓練士としてふさわしい能力、人格を持っていると判断されると訓練士または歩行指導員として認定されます。
盲導犬訓練士だけに限った資質ではありませんが、コミュニケーション能力や忍耐力、洞察力や柔軟性などが必要です。盲導犬の訓練士は犬と接する時間のほかにも職員同士やボランティアさん、ユーザーさんや視覚障がい者の方と接する機会が多くありますので、訓練だけでなく様々な要素が求められています。また、訓練や啓発活動に向かう際は社用車を運転することがほとんどですので、兵庫盲導犬協会の全職員が運転免許を所有しています。
盲導犬訓練士になった後、その上の盲導犬歩行指導員という資格があります。盲導犬訓練士となった後さらに2年間の養成期間を経て、目の不自由な方と盲導犬の歩行指導を行っていく先生のような仕事です。歩行指導員は犬の訓練だけでなく、ユーザーとの訓練や貸与されたその後のフォローアップなども行う必要があり、盲導犬とそのユーザーを見守っています。
訓練以外にも
することがたくさん
あるんだね